ろーさん(RONIN JAPANのこと)、ホラーゲームってやる人?
MMさんホラー好きなんよねー。
映画とかゾンビゲーとか。俺はホラーゲームはやらんよー、全然。
最後にやったのサイレントヒルの一作目かな?
なっつ笑 零ってのがリマスターで出てるからやってみれば?俺昔から好きなんよねー
そう来たか。あー、でもホラー全般をあんまり触らん俺がレビューするのおもろいかもね
ということで…。
数々のゲーム(インディーズを含む)をプレイしてきたMMCの隊長MM氏と、興味あるゲームしかやらないRONIN JAPANが忖度なしでゲームをレビューする、第二回目。
今回はコーエーテクモが開発したサバイバルホラー『零 ~濡鴉ノ巫女~(ぜろ ~ぬれがらすのみこ~)』のリマスター版。価格は定価5,280円。
もちろん、今回も前情報なし・他の人のレビューも全く読まない状態で最序盤をプレイします。
ざっくりと内容
かつて霊場と崇められ、今は自殺の名所となっている日上山。
wikiより
その山は夕暮れになると姿を変える。ある事件により「影見」の能力を得てしまった不来方夕莉は、その山で自殺しようとした一人。
同じ能力を持つ黒澤密花に助けられ、彼女の「失せ物探し」の仕事を手伝うようになるが、やがて密花は失踪し、夕莉は密花が「神隠し」された「人」を追う仕事を引き受けていたことを知る。
依頼者からの話を聞いた夕莉は一人日上山へと向かう。失踪した密花を探すために。
「神隠し」された人を探すために。
サバイバルホラーということですが、バイオハザードみたいな感じにガンガン銃ぶっ放していくのではありません。射影機と呼ばれるメインアイテムでさまざまな状況を切り抜けるのである。
射影機は幽霊などのありえないものを写し出せる特殊なカメラであり、「その姿を撮影する」という手段によって死者の想いに触れたり、声なき声を聞き取ることが出来るほか、「過去を写す」「呪縛を解く」といった機能もあるため、ストーリーの謎を解くのに必要不可欠な役目を担うものとなっている。

操作性
移動・視点移動については一般的なゲームをイメージしていただきたい。ソレです。
ただ違うのは、モッサリしている。
特に視点移動と振り返りが。
いや、でもねモッサリさせているんだと思う。
当然ながら伝説の傭兵でもないし、半人半魔のデビルハンターでもないのよね。
射影機使って心霊的なものと接することができるただの人なんです。
そして、このモッサリが、恐怖を生み出す一つの理由でもあるし面白くさせているポイントなのかも。
メインストーリーとは別に、突然ファッと横切ったり覗いてきたりする「何か」に反応するのを難しくしてるのかも?
これにより、実績獲得マニアさんを苦しめる素晴らしい具合にしているのかもしれません。

映像
ムービーシーン
まず、私が注目したのは作中のムービーシーンに出てくる、昔の白黒映像やアルバムに収められている白黒写真(たぶん実写)。
映画『リング』を観たことある人は多いかと思いますが、その作品中に出てくるビデオの映像の指差す男や、天然痘に苦しむ地を這う人々の映像を観た時と同じ感覚を覚えました。
直接的に怖いというよりも、妙な嫌悪感を感じる映像をうまく使っているなと。
ムービー観ている間、ずっと眉間にシワが寄っていました。

プレイ画面
これがね、リマスター版のつらみなのかもしれません。
映像がクッキリした分、背景が不自然な印象でした。チュートリアルで建物に入った瞬間「荒れすぎじゃね?」と声に出したぐらい異常に荒れた廃墟なんです。
でも、自分も大人ですし、同じようなことを旧作品のリマスター版の映画を見た時に感じたことがあったから事情は何となくわかります。恐怖を感じさせる世界観の作り込みを頑張りすぎた分、キレイな映像で見るとわざとらしく見えるっていう悲しき弊害じゃないかなぁって。
設定で一番暗くしたらおもろいよ!
とのこと。
なぜか、自分がよく食べる冷凍食品の坦々麺に入ってる辛さ調整の「花椒入り唐辛子」を思い出しました。

「何か」がおるのよ
操作性でも触れましたが、メインストーリー(ミッション)とは別に、突然ファッと横切ったり覗いてきたりする「何か」の映像。
これ、ホントうまいと思う。
横槍を入れてくるような大胆さもなく、そのクセ全く気付かない様なこともない絶妙なタイミングで消える「何か」。
もしかしたらこの作品で一番怖いのはこれなのかもしれない。
「何か」を射影機で捉えることもこの作品の醍醐味とのことですが、私はまだ一度も成功してません。
昔話ばかりで申し訳ないのですが、『女優霊』っていう映画でこういう手法があったんです。
物語が進んでいる途中に、主人公たちが全く気づかないところに女性が写り込んだりしてるんだけど、最後までそれに触れなかったりっていう背筋ひんやり系のヤツです。

戦闘的なもの
基本的にはドキドキしながらの探索なのですが、襲ってくるやつもいます。そんな時は、射影機で楽にしてあげましょう。彼らもきっと幸せです。
枠内にヤツらを合わせてシャッターを切ると、グヘッと反応してくれます。
うまい人は数回で成仏させてあげられますが、初見の私は射影機が壊れるんじゃないかというくらいシャッターを切りました。
ここなんかは「あぁいろんなノウハウを持ってるところが作ったゲームだなぁ」という感じで、無駄なストレスなく楽しめます。

内容の厚み
先述の「何か」ですが、実はさまざまな場所に落ちている文書などにまつわる人などで、細々とした設定がされており、単純に怖さを煽るためのデコイではないのがすごいなと。
私が好きな『サイバーパンク2077』もこんな感じにサブミッションに細かい設定や、つながりを持たせることで作品全体の厚みを増してて、没入感が増します。
単純に「わー!」「ぎゃー!」っていうだけじゃないんですよね。
お笑いでいうところの緊張と緩和じゃないですけど、恐怖の裏にある悲しさを知ることで複雑な味が出るみたいな。
まとめ
前回のレビューもそうですが、レビューであえて核心的な部分には触れていません。
日本の映画界でホラーブームがあったのですが、それから3年後に『零』の第一作が発売されています。
記事中にも出した『リング』や『女優霊』がそのホラーブームの時の作品です。
なんとなくですが、製作陣が肌で感じた「恐怖」をうまいこと擦り込んだゲームだなと思いましたし、数々のアクションゲームをヒットさせている会社が、あえてこの操作感を取り入れたあたりに気概を感じました。
ちなみにコントローラーなバイブ機能はガンガンに作動しますんで覚悟してください。あと、ヘッドフォン装着をお勧めします。
Twitterでも見たのですが、キャラクターデザインからのスケベ心でプレイ開始するのはある意味お勧めします。
そして存分に「いい意味で」後悔していただければ幸いです。